2018.04.27調査研究
排水管清掃用高圧洗浄の洗浄性能評価法
主任研究者:坂上恭助(明治大学理工学部建築学科 教授)
給排水設備は建築物における水使用をサービスする必須設備であり、屋内排水や降雨等による屋外排水は円滑に建物敷地外に排除されなければならない。しかし,排水中に混入した汚雑物(汚れ)は 排水管内に付着・停滞・堆積し,排水不良・逆流や金属排水管の腐食を生じさせることから、特定建築物では排水設備の清掃を6ヶ月以内ごとに1回行うことが建築物衛生法で規定されている。その工法は、高圧洗浄法が一般的であるが、高圧洗浄法は、管内面全体に均一に剥離できず、汚雑物が部分的に残存してしまうという課題がある。
本研究では、(一社)全国管洗浄協会の協力のもと、「高圧洗浄性能評価法研究委員会」を設置し、既往研究の整理ならびに、実地試験として、平板と模擬排水配管を用いて水性ペイント・感圧シート・ラードの3種の材料を洗浄評価試料の適用性について検討を行った。その結果、洗浄評価試料としてはラードが最も適切であると評価された。感圧シートは直管については取り扱いに注意すれば適用できるが,水性ペイントは洗浄痕が不明瞭となるために不適正であることが確認された。本研究の成果として、ラードを洗浄評価試料とした高圧洗浄性能評価方法を提案した。