2017.05.01調査研究

貯水槽水道における残留塩素低減等への影響に関する調査研究

研究指導員:古畑勝則(麻布大学生命環境科学部 教授)

近年、飲用用途の減少や節水器具の普及、雑用水の利用等によって水道水の使用量が減り、貯水槽水道を利用する建築物では水の滞留による残留塩素の消費が問題となっている。そこで、貯水槽水道の受水槽壁面の清浄度をATP量にて評価し、施設管理状況、残留塩素濃度等の因子との関連性について検討を行った。また、検水及び壁面から細菌の分離を試み、従属栄養細菌等から水槽の衛生の実態について調査を行った。貯水槽壁面の清浄度については、ATP量が高い=汚染度の高いと思われる施設もあった。これらの要因として水槽材質や水槽容量の施設概要、遊離残留塩素の保持や、貯水槽清掃からの経過日数が考えられた。検討したところ、残留塩素0.1mg/Lと0.2mg/Lに、清掃については6か月と1年に特徴が見られ、適切な管理を行っていれば問題ないと考えられた。汚染度の高い施設に着目してみると、清掃から1年以上経過といった管理不適例もあったが、FRP製水槽の表面の劣化も要因の1つと考え、経年使用したFRP表面の観察を行い、劣化状況の検討を今後の課題としたい。

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