2016.05.02調査研究

中央式給湯設備におけるレジオネラ属菌の発生原因特定のための調査研究

主任研究者:村田博道(株式会社森村設計)

従来行ってきた循環式の中央式給湯設備におけるレジオネラ属菌の発生原因を明らかにすることを最終目的として、レジオネラ属菌の侵入経路を明確化することを試みた。当初、逃がし管への菌の流入経路として、屋上の逃がし管開口部に近いクーリングタワーが考えられたが、調査結果からはクーリングタワーの水槽から生菌が検出されなかったことから完全な特定は至っていないものの、遺伝子解析の結果からクーリングタワーにおいて高濃度の菌の存在があったことが確認できた。別棟の建て替えに備えて、本棟(継続調査している建物)に別棟の機能を移転する改修工事のため2ヶ月間全館閉鎖し、再運転時に丁寧な水の入れ替えなどを行った結果と考える。これにより菌を除去するためには、水の入れ替えが有効であると考える。また、逃がし管にドレン管がない場合における湯のサンプリング方法として、1)カテーテルサイホン法、2)不断水工法を確立した。1)は逃がし管上部からビニルチューブを挿入する方法であり、2)はサドルバルブを用いて逃がし管に穿孔する方法であり、耐圧試験を実施し手法の安全性についても確認した。本研究により採水手法が確立できたことは今後同様の調査を行う上で極めて有益な手法になると確信する。

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