2014.04.30調査研究

建築物の清掃業務の管理難易度に関する調査

主任研究者:正田浩三(東京美装興業株式会社)

現在、多くの建築物が管理運用されているが、大規模化・高層化・複合化が進化し、状況に合った管理計画と非常時の対応が今まで以上に求められている。従って、建物毎の管理難易度を定量的に評価する手法を開発することが重要と考える。このため、建築物の清掃管理を実施している清掃責任者にアンケート調査及び大規模建物の運用上のトラブルの聞き取り調査を実施した。文献調査では、国土交通省が公開している、「建物事故防止ナレッジベース」により、建物の用途、部位別の事故の危険度を作成した。次に、T社が管理している96建物を対象に清掃管理の管理難易度の実施調査を実施した。建物用途は、事務所、商業施設、学校、病院、ホテル、複合施設、その他である。調査内容は、建物利用状況(利用者数・建物稼働率等)、管理要素(制約条件等)、建物利便性等をアンケートした。文献調査より、建物用途別では、最も事故多かったのは、学校であり、次に住宅等、商業施設と続き、この3用途で大部分を占めた。事故の重症度では、学校、ホテル、病院の順であった。清掃のアンケート調査から、清掃難易度が高かったのは、ホテルであり、次に病院、複合ビルの順の結果を得た。建物用途により、質向上に求められる項目が異なることを確認した。清掃管理の質向上には、用途による要求項目を把握して対応する必要がある。

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