2014.04.30調査研究
循環型社会形成に向けたビル内廃棄物処理の3R化に関する研究
主任研究者:八木美雄(公益財団法人廃棄物・3R研究財団)
①建築物内廃棄物~適正処理から3Rへ~
今後の建築物内廃棄処理の基本的方向として、「発生抑制(リデュース)、再使用(リユース)の2R」、「使用済み製品を原料に用いて同一の製品を製造するガラスびん等の水平リサイクルの推進」、「生ごみや古紙等バイオマスの利活用」などに鋭意取り組むべきである。
②建築物内廃棄物について
建築物内廃棄物の大部分は、OA紙等紙ごみや弁当の食べ残しの生ごみなど事業系一般廃棄物が占めており、建築物の所有者等は事業者責任の原則に基づき適正に処理しなければならない。
③建築物内廃棄物に対する自治体の指導
自治体では、一般廃棄物の約3割を占める事業系一般廃棄物(建築物内廃棄物)の排出削減が大きな政策課題となっており、京都市、横浜市、大阪市、東京都港区における指導状況を紹介した。
④建築物内廃棄物の管理と処理設備
建築物内廃棄物の管理・処理の概説に加え、自動搬送システム、廃棄物の計量管理システム、都市型地域循環システム、生ごみのリサイクルシステム、廃棄物および再利用保管場所の計画例、廃棄物処理業者によるビル廃棄物の3R化に対する提案例等を紹介した。
⑤建築物内の廃棄物処理の3R化に向けた今後の対応
今後の対応として、自治体の指導と法令遵守、廃棄物管理責任者の選任、廃棄物計量データ管理システム、大規模建築物における3R化推進、生ごみリサイクル率の向上、3R化推進に向けての専門廃棄物処理業者の活用を示した。