2012.05.01調査研究

名古屋駅周辺地下街のネズミの動向調査と防除手段の改良

<p>主任研究者:平尾素一(環境生物コンサルティング・ラボ 代表)</p>
<p>9つの地下街と4つの駅、37のビルが複雑に繋がる名古屋駅地下街(約80,000㎡)でのネズミ駆除の現状、問題点について調査した。1985年頃には85%の飲食店舗にネズミの生息が見られたが、関係者らの協力により、90年代には20%、2009年には3%にまで減少してる。立地条件と生息率は関係し、①地下街に面した飲食店、②隣接するビルの飲食店 ③独立したビルの地下飲食店で比較すると、①>②>>③であった。地下街の一部で、工事が始まると、移動があることが知られているが、標識再捕獲のような生態的な調査はできなかったが、隣接ビルの食品売り場に移動し、クレームが急増したり,捕獲が増加する傾向が見られた。生息調査に、最近発売された赤外線自動撮影カメラを使い粘着捕鼠板廻りでの行動を調べた。粘着板の間の2-3cmの折り目を利用し、自由に往来したり、口でくわえて移動させるなどの驚くべき嫌忌・回避対応を示し、捕獲は鼠の油断によるところが多いという結果が観察された。この地下街の管理会社は8社からなり、統一的に管理を行うという建築物衛生法の考えを採用しにくい現状を防除業者の証言から探った。最後に、難防除とされる地下街でのネズミ対策の提案を行った。</p>

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